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アダルトビデオをたしなむ上で避けては通れないのが「パッケージ詐欺」。
詐欺っぷりに程度の差こそあれ、きっと多くのみなさんが被害にあわれたご経験をお持ちではないでしょうか。
パッケージ詐欺とは要するに、AVのパッケージと中身に大きな乖離があり「騙されたーっ!」という時に使われる言葉です。
ことはAVに限らず、「パケ写詐欺」や「ジャケ写詐欺」「表紙詐欺」なんて言い回しもあるようです。
風俗業界ではパネルマジック、通称パネマジなんて言いますが、こっちはネガティブなワードなのにちょっとカッコいいというか、なんかスマートな響きです。
客を騙すことには変わりないんですけどね。
私もご多分に漏れず、こうしたドクソAVを星の数ほど掴まされてきました。
若かりし頃は、「これはオレにだけ起きていることなのか」「オレのヒキが弱すぎるのか」と自身を責めたりしたこともありましたが、なんてことはない、ドクソAVが星の数ほど存在するのと同時、いやそれ以上にドクソAV掴まされ系男子も星の数ほどいることを知って、むしろちょっと安心したくらいです。
全滅の悲劇
TSUTAYAの「今なら5本いくら」みたいなキャンペーンで、喜び勇んでまとめてガッと借りてボルテージ高く家で鑑賞したところ、見事にワンセットまるまるクソを掴まされた時なんか、ホントたまりませんよね。
あまりに強く握りしめた拳の指の間から、ポタリポタリと血が滴り落ちるくらいの憤りを感じる作品も、中にはあります。
「今日は素人系で攻めてみよう」なんて日は、特に注意が必要です。
まあそれでも結局、文句言いながら抜くんですけどね。
販売側の気持ちもわからなくはない
客としてはたまったものじゃないこのパッケージ詐欺ですが、正直なところ、メーカーの立場からすればある程度は仕方がないのかな、と思ってしまう気持ちもあります。
そりゃ加工の必要もないようなS級のAV女優さんばかり集まってくるならば話も違ってくるんでしょうが、当然そんなわけもなく。
また、すでに撮影済みである作品のパッケージを作成する人間にできることは、上からの指示に全力で応えることぐらいでしょう。
「この地球外生命体を美少女に、とのご指示ですが、私は客を騙すようなことはできません」なんてデザイナーさんがいたらカッコいいですけど、そんな人はその職場には長くいられそうもないですし。
あるいは、本来は加工が無くとも問題ないレベルの素材であっても、もはや加工が当たり前になってしまったAVパッケージ群の中に並んでしまえば、見劣りし埋もれてしまうのかもしれませんね。
私はアダルトビデオにせいぜいレンタル代程度しかカネを落としていないしみったれた客側ですが、やっぱり「ふざけんなー詐欺だー」と罵りたくなることもあります。
ただ、おそらくパッケージの加工をやめたところで「あのメーカーは誠実だ」なんてことにはならないでしょうし、結局はパッケージを手にとってもらうことすら叶わずオシマイとなるなら、販売者側としては客の罵りなど気にしていられないのかもしれません。
そこは商売ですから、背に腹は変えられないといった面もあろうかと思います。
どこからが詐欺か
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昔から「色の白いは七難隠す」と言いますが、例えばテレビのインタビュー映像などで、女優さんにギラッギラにスポットライトが当たっているのを見かけます。
あれは影をなくしたり、シワやシミを飛ばすことで肌を綺麗に見せるため、美白効果を得るためのものだそうです。
女性写真を扱うビジネスの場では、写真の明度を上げたり、肌を綺麗にする程度の修正を行うことは当たり前、むしろ行わない現場などほぼ皆無ですし、未加工でそのまま世に出そうものなら逆に女性側からクレームがくるでしょう。
写真なんて、明るさだけでもホント見違えますもんね。
とはいえ、これも「パッケージと中身の差」を作り出していることに違いはなく、しかしこれを詐欺と呼ぶかというと、ちょっと現実的ではない感じがします。
では、顔を上から撮影して輪郭を細く見せるテクニックは?加工でシミ・シワ・くすみを消すのは?など、どこまで加工・テクニックを許容するかの度合いは人それぞれで、つまるところは程度の差、なかなか線引きできるものではなさそうです。
客側が賢くなるしかない
アダルトビデオに限らず、マクドナルドのハンバーガー写真1つとっても同じことで、PCが普及して加工が当然となっているこんな世の中じゃ、言いたいことも言えないこんな世の中じゃ、ダマされるのが嫌ならば、客側がある程度の選択眼・審美眼を持つことも必要だと言えそうです。
では、ダマされないためには、具体的にどうすればいいんでしょうか。
見分け方はあるのか
どうしたらパッケージ詐欺に引っかからずに済むのでしょうか。
実際、正解があるなら教えて欲しいくらいなんですが、私に考えられるのは以下のことくらいです。
パッケージの裏面を重視する
特に表紙専用に撮り下ろされた写真の場合は、撮影のためにバッチリメイクされ、さらにそこからPCで加工、加工・・・なんて工程を辿ったりするので、もう別物と思っておいた方が良さそうです。
よく言われることですが、パッケージ裏面には、客が劣情を催すようにプレイ中の写真を使っていることが多く、表紙ほどに加工の手が回っていない場合があります。
これが詐欺を見抜く重要な手がかりになります。
「この1枚だけ写真写り悪いな」なんて思ったら、実はその写真こそが真実だった、ということは十分ありえます。むしろその疑いが強い。
私はシチュエーションやシーン重視のタイプなので、そうした意味でも裏面を中心に吟味することにしています。
なお、パッケージ裏面に掲載されているシーンが本編で抜けているケースも、同じくパッケージ詐欺と言われるようです。
シチュエーション重視派やシーン重視派は、この手法には本当にガッカリさせられるんですが、これはもう防ぎようが無いです。
セット内容に含まれている商品が入っていないようなもので、実はこちらのほうが詐欺の名にふさわしいケースだと思います。
サンプル動画をチェックする
限られた予算の中でババを引かされないためには、事前の調査に労力をかけることが肝要です。
もしサンプル動画を閲覧可能な作品ならば、チェックしておきましょう。
やはり動画でウソをつくのは難しいですからね。
サンプルが無理でも、最低でもDMMのサムネイルチェックくらいはしておきたいところです。
なお、ユーザーレビューを頼りにする方もいますが、私はあまり参考にしないようにしています。
自演による高評価、競合を蹴落とすための低評価、というノイズがけっこうな割合で混じっている気がするからです。
女優名を手がかりにする
女優モノと素人モノでは、罠がしかけられているケースは圧倒的に後者、素人モノが多いです。
単体で勝負できる素材は、女優名を冠して単体で売りに出されるのが摂理でしょうから、言わば自明かもしれません。
何作も販売しているような単体女優のタイトルであれば、作品自体の内容はともかくビジュアルの落差については心配ありません。
特に素人属性を持っていないのであれば、いくら表紙に惹かれたとしても素人モノには一切手を出さない、くらい厳格に自らを律することができれば、落差の激しいドクソは掴まされにくいと思います。
逆に、素人モノでアタリを引きたいというならば、その何倍・何十倍もハズレを引く覚悟を持たないと難しいのではないかと。
それは剛の者だけが歩むことのできる茨の道でしょう。
複数まとめて入手する
ジャンルや属性を上手く散らし「全部がクソだった」という事態を避けるという、もう「クソは一定確率で掴まされるもの」という前提での作戦です。
ただ、ジャンルを散らしても、メーカーが同じだったため結局全部がクソだった、みたいなこともあるので、販売元を含めバラエティ豊かに散らしてワンセットとして考えられたら、さらに事故発生率を抑えることができます。
いや、大変お世話になってますし、私は大好きですよプ○ステージさんは。
そんなもんだと諦める
いろいろ考えたところでクソを掴むときは掴むので、そうなったらと仕方ないと、ある種の諦観を持てたら、もっと楽になるでしょう。
でもそんなことでは私の愚息は収まらんのです。
騙されたうらみを忘れない
恨みを岩に刻み、常日頃から騙された憎しみだけを胸に生活していれば、同じ手を食わずに済むかも。
たかがAVで・・・
むしろ自らクソを掴みにいく
仙人みたいな人なら、パッケージ詐欺を愉しむということも可能かもしれません。
「騙されたらむしろネタにしてやる、敵ながらアッパレ」と逆に相手を褒めてやるくらいの度量の広さを持つ漢になれたら素敵ですね。
私には無理です。
うまく付き合っていこう
ということで、後半は結局、観念論のようなものばかりになってしまいましたが、よっぽど悪質なケースを除いて、多少は「そんなもの」くらいの感覚を持つようにしないと、今のご時世では自分がツラくなるだけのような気もします。
パッケージの女の子そのものが動いているような作品を期待することは、それこそ一生アダルトビデオに不満を抱えて生きていくことと同義なのかもしれません。
しかしながら、騙されるばかりでも癪ですから、日々自衛手段を講じて自分の選定眼を高め、ハッピーなAVライフを謳歌できたらいいですね。
・・・みたいなことを、わざわざ終戦記念日に書いている私は、この先一生AVでハズレを引き続けるみたいな十字架を背負ったとしても、仕方がないような気がしてきました。